今回は、営業マネジメントにおける考え方の第2弾として、営業課題の解決プロセスについて見ていきたい。

 

では、本日の目次を示そう。

 

 

営業部での課題

 

まず、営業会議でよくある風景を紹介しよう。下の図をご覧いただきたい。営業会議では、売れない営業マンの失注に対して指摘ばかりしているが、本人も原因がわからず議論が平行線になっているケースが多く見られる。

 

 

ではなぜ、売れない営業マンは自分の課題が見えないのだろうか。これは下の図にあるように、指標が大きく関係している。

 

 

例えば、一般的なテストであれば、間違った部分について改善点が明確である。その一方で、営業活動は受注と失注のみで、改善点が見えにくい。受注を0点か100点かといった極端な結果で見ても、どこに課題があるかがわからないのである。これは下の図のような考え方になる。

 

 

売り上げや受注などの見える結果についてはわかりやすいものの、その間には見えないプロセスが多数存在する。受注する案件に関してもさまざまなプロセスがあり、その中で、どこでつまずいたのかがわからなければ、改善点を次に生かすことは難しいだろう。

 

これは、ダイエットなど、日常の健康管理についても言えることである。医者に「血圧を下げましょう」と言われても、どのようなステップを踏んで改善を積み重ねるべきかがわからなければ、路頭に迷うであろう。一方で、「1万歩は歩く」「塩分を10g減らす」「ビールを3杯以下にする」などの具体的なプロセスがわかると、最終的なゴールに近づきやすいのだ。

 

 

つまり、営業活動においても、受注・失注だけではなくて、間のプロセスを管理するということが非常に重要なのである。

 

営業課題の解決

 

営業課題の解決には四つのポイントがあり、まとめると次のような考え方が重要になる。

 

契約と相関がある指標であること

行動管理を行う上で設定する指標は、契約と相関がある指標とすることが重要だ。その指標の数字が増減することで契約数が変わらなければ、計測する意味がなくなってしまう。

 

定量的であること

それぞれの指標については、必ず定量的に設定することが必要であり、例えば「次アポを取る」ではなく「次アポが5件」というように達成状況を明確にすることが重要である。

ゴールから逆算された数字であること

それぞれの指標については、例えば、プランからの契約率が50%で契約数が3件の場合、50%を割り戻し6件を設定するというように、ゴールから逆算した数字を設定することが重要である。

 

行動指標であること

結果指標は受注などの数字を指すため、それ自体を目指しにくいが、行動指標は次アポ数など行動で達成できるものである。そのため、行動指標で管理することで、結果だけでなく行動で評価できる体制にすることが重要である。

 

また、契約と相関がある指標については、下の図のようなセールスポイントとの仕組みを理解することが重要だ。

 

 

さらに、定量的な行動指標についても、下の図のように具体的に管理すると良いだろう。

 

 

その上で、契約から逆算した目標数値について、下の図のように、プラン提案率・次アポ率などから割り出した目標設定を個別に管理していくことが重要なのである。

 

 

この際には、さまざまなプロセスがあるが、代表的なのは相関するプロセスと、純粋な営業でのセールスプロセスになる。これらを活動の中で管理していくことによって、単なる来場から受注だけでなく、来場から次アポ・初回面談からプラン提案・受注といった、経営を左右する指標でどこに課題があるのかが明確になる。また、これらの行動管理については、下の図にあるような管理表としてまとめることが有効である。

 

 

管理表では、それぞれの指標のステップにおける数字を各営業マンごとに毎月実績を記載する。そして、月間の平均値を洗い出し、年間目標と比較できるようにすることが重要だ。このような管理をすることにより、どの営業マンのどこに課題があるのかが明確になり、合理的・科学的に改善をすることができるようになる。

 

なお、これらの指標は営業だけでなく、資料請求数や来場数なども同様に管理するのもやり方の一つである。下の図を例として、営業における指標が今期で、来場が前期だったとする。その場合、契約率が20%であれば、来場自体を250組と設定し、前期の数字を気にせずに管理をしていくことが重要である。

 

 

本日のまとめ

 

改めて、本記事のまとめを示そう。

営業マネジメントにおいては、営業マンの課題を具体的に見つけることが重要である。

改善については、契約と相関性のある行動指標で明確に示すことが重要である。

営業管理については、案件と進行中のステップに沿って逆算した数値を指標とすることが重要である。

 

以上、今回は、営業マネジメントにおける課題解決のプロセスについて見てきた。

 

これらは、今後案件が減少していく中で重要な取り組みとなるので、今のうちにしっかりと体制づくりをしていただきたい。

 

引用

 

 

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